いつのころからか「生きた証を残したい」
そう思うようになりました
その自分探しの過程の中で、必然的に漬物を創ることに辿り着いたのです
漬物屋を営んでいた私の祖父は若くしてこの世を去りました
今その漬物屋はなく、私は一度も祖父に会ったことがありません
しかし
漬物を一から創り出し半世紀もの歴史を作ったという
そのスピリットを受け継ぎたい
私自身のルーツをこの世に復活させたい
そう感じたのです
私は今までクリエイターとして、色々な人たちと出会いながらモノを創り出してきました
モノを生み出すことはむずかしいことです
なぜなら、沢山の時間と技術と知恵が必要だからです
その中で、先人の教えを知り、学び、伝統を守っていくことが
新しいモノを生み出す、つなげていくことに大切なプロセスだと知りました
私は常にクリエイターでありたい
そして、伝統をさらに生み出したい
限られている時間の中で
昔を思い、自分を受け止め、新たな時代に想いを馳せながら創造する
その喜びと苦悩は、必ずや自分の「証」になり、次の時代への道筋となります
横尾宗尚